※この記事は2021年7月本国掲載の内容です。
ここ数年間で、スマート自動入札とオフラインコンバージョンは高品質なリードを獲得する方法を完全に変えました。
この数カ月の間に、Optmyzr(オプティマイザー)社のCEOであるフレデリック・ヴァレーズは、PPC広告の担当者に、オフラインコンバージョンを利用してGoogleの機械学習アルゴリズムに優良なトラフィックがどのように見えるかを伝えるよう、勧めています。
それは、Google広告のような広告プラットフォームの自動化が進むにつれ、広告運用者の役割がボタンを操作することから適切な情報を入力することへと移行していっているためです。
広告プラットフォームは、入力された情報を基に広告主に代わって意思決定を行い、価値の高いトラフィックと推測される広告を掲載し、アカウントマネージャーがそれを報告します。このようにして、自動化時代の新たな最適化サイクルが生まれるのです。
Optmyzr社は先日、Google社から最高の専門家を招いてPPC広告関連のイベントを開催し、質の高いリードを獲得するために、スマート自動入札だけでなくオフラインのコンバージョンをどのように利用するかについて詳しく話しました。
その中から5つの大きな教訓をご紹介します。
1. 顧客データは持続的成長の鍵
Boston Consulting Groupの調査によると、オンライン広告主が購買プロセスにおける顧客データと戦略を統合した場合、平均して20%の収益増と30%のコスト効率が得られることが分かりました。
オフラインのコンバージョンを追跡または取り込むに関わらず、最新のキャンペーンを最適化する際、ファーストパーティデータの重要性に異を唱えるのは困難です。
2. 計測すべき内容
Google広告ではオンラインでの活動を測定することができますが、広告をクリックして販売システムに入ったユーザーが、CRMや対面などといったオフラインでコンバージョンすることもあります。
そのため、トラッキングしたい構成要素は2つのグループがあります。
オンライン:リードとセールス
リードだけを追跡していれば、製品やサービスに対する初期段階のニーズについてはある程度見当がつきます。しかし、最後まで追跡することで、購入までの全体像を把握することができます。
・オンラインでどのくらいの関心を集めているか?
・オンラインで関心をどれだけ持続できているか?
・購入しようと思わせるだけの説得力がどれだけあるか?
時には、最終的な段階となる販売がオフラインで行われることもあります。
このような場合は、その情報をGoogle広告のオフラインコンバージョンのインポートへフィードバックすることが重要です。
オンラインでリードと売上の両方を追跡しても、全体像の一部しか見えません。ある大学で2000件の資料請求があり、最終的に20人が入学したとしたら、コンバージョン率は1%ということになります。
その間に起こった他のすべてについてはどうでしょうか? その貢献度はどのくらいなのでしょうか?
オフライン:ミドルファネル
通常Googleでトラッキングする内容と、実際のビジネスにおいて重要なこととの間には大きな隔たりがあります。オンラインのフォーム送信は簡単にピクセル設定ができますが、オフラインで起こることやトラッキングできないチャネルで起こることにピクセルは設定できません。
しかし、リードからセールスまでの間で起こることを測定すれば、どのようなアクションがビジネスに最も有益かをより良く知ることができます。Googleが紹介した大学の例を見てみましょう。
・2000件の資料請求があり、200件の申し込みがあった(CVR10%)
・200件の申し込みから、80件の応募があった(CVR40%)
・80件の応募が完了し、20人の学生が入学した(CVR25%)
こうすることで、最終的なコンバージョンに影響を与えているものが詳細に理解できるようになりました。
3. 期待値の推定
オフラインのコンバージョンをGoogle広告に取り込む際に、そのコンバージョンがどの程度の価値をもたらしたかに基づいて、価値を割り当てることができます。
それには、逆算が最良の方法です。
・入学した学生は、大学に平均で100万円寄付している
・多少の変動を考慮した上で、入学には20万円の価値がある(25%)
・申し込みの開始に8万円の価値がある(40%)
・資料請求に8000円(10%)の価値がある
これらの数字から、Googleのアルゴリズムが大学にとって8000円/8万円/20万円/100万円の価値があるというシグナルを示しています。
重要:数字にとらわれないでください。コンバージョン値はGoogleがさまざまなユーザーをスコアリングし、優先順位をつけるためのツールです。これらの数字が広告費やROASには直接影響しません。
4. スマート自動入札はオフラインデータとの相性が抜群
スマート自動入札を単独で使用すると、Googleは多くのオンライン広告主に馴染みのある何千万ものシグナルを調べます。
・デモグラフィクス
・コンバージョン率
・オーディエンスのセグメント
・ブラウザ
・言語
・キーワード
・入札
・時間
・場所
・その他多くの情報
オフラインデータを取り込むことで、さらに多くの情報をGoogleに提供することができ、今後のターゲティングを最適化するために活用できます。大学の場合は、以下のようなパラメータが含まれます。
・偏差値
・優先するコース
・収入
・クレジット履歴とスコア
・紹介や受賞歴
・既存のクレジット
Googleが理想的なユーザー像を描くために用意したパズルに、新たなピースが加わりました。これでGoogleは、どのオーディエンスグループにどのような入札をすれば最高のリターンが得られるかを、より正確に理解することができます。
5. 価値に基づいた入札戦略が最も効果的
コンバージョン値を設定することで潜在的な顧客を区別し、より価値あるコンバージョンに向けた入札ができます。
教育分野では、資料請求した学生と無料のオンラインコースに登録した学生に、異なる値を割り当てることができます。小売業であれば、頻繁に返品する顧客とリピート購入する優良顧客に分けることができます。
価値に基づく入札戦略は、スマート自動入札のアルゴリズムに、特定のグループのユーザーや顧客が他のグループよりもビジネスの収益性に価値があることを伝えます。
そのため、スマート自動入札は2倍/3倍/10倍の価値を持つグループに対して最適化を行い、ROAS(費用対効果)だけではない広告費の価値を高めることができるのです。
固定値入札の場合は広告費が偏り、収益も制限されてしまいます。平均入札額が固定値よりも高いユーザーセグメントは機会損失となり、平均入札額が低いセグメントに過剰投資してしまいます。
まとめ:テストとモニタリング、最適化
成功への近道や作業を回避する方法はありません。アイデアをテストして結果をモニターし、最良の結果に基づいてキャンペーンを最適化してください。
スマート自動入札のような自動化機能は、正しい判断をする前の段階で手動による大量のコンバージョンを必要とするため、手動による最適化で基礎の部分を築きます。
何が効果的かが分かったら入力は手動のままにして、解決策を自動化しましょう。そして、サードパーティツールを使って他の最適化作業を効率的に行い、戦略を立てるために時間を割くようにします。